株式会社JA山本葬祭センター > 海洋散骨
2013年に公開された、高倉健主演映画「あなたへ」の中のひとコマ。それがきっかけのひとつなのかは不明だが、そんな相談が最近増えている。映画のような、海への散骨が現実的になって、先般当社でもお一人の方の海洋散骨をお引き受けした。
それに至った経緯は、やはり『 遺書 』。
「海へ散骨して」という言葉が、遺族の心を揺らし当社に相談にいらした。
この海洋散骨でネックになるのが、『 船のチャーター 』と『 海への散骨許可 』および、『 お骨の状態 』である。とはいってもお骨そのものを海に納めるのではなく、まず必要になるのが、「粉骨」という作業である。お骨の状態は理解できると思うが、そのものを納めるのではなく、パウダー状の粉骨にすることからはじまる。そのパウダー状の粉骨を海水にとける紙につつんで散骨をする。それが正しい姿である。
当然船も大切な条件となる。どんな船でもいいわけでなく、専用の船が必要となる。
海となれば公共のものでもあり、勝手に散骨はできない、許可制である。様々な条件をクリアし、今現在当社で可能なのが、小樽、仙台、千葉、神戸、沖縄の5ヶ所。
何故海洋散骨にこだわる人がいるのだろうか?
まずは、まさに映画のようなロマンを感じることにあるだろう。
広々と広がる海に故人の想いを置いてゆく。
考え方はいろいろあるだろうが、そこには雄大なロマンを感じる。
もうひとつは、費用面。
散骨後の負担がまずない。
後継者のいないお墓が問題になっている昨今、維持管理すべきお墓がないことは、
遺された遺族にとって、大きな負担の軽減となる。その後の仏事は何ら問題なく行える。
お墓は心の中にあるということであろう。
葬送の歴史は長い年月を経て、変化しながら現在に至った。
現代の葬送スタイルを「供養と記念の時代」と呼ぶ学者もいる。
その時代の中で墓所や寺院は象徴的なものであるのだが、いろいろな考えの中に
「土や海に帰る」という素直な思いがあることは誰もが思う死後の理想なのかも知れない。